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2025.11.12
コラム

日常清掃の完全ガイド|料金・頻度・手順・選び方

日常清掃の基本、品質基準、適切な頻度と範囲の決め方、標準手順、そして業者の選び方と運用チェックリストまでを一気に理解できる実務ガイドです。日常清掃のムダを減らし、品質を安定させる仕組みを整理しました。担当者の方が、今日から運用を改善できる内容にしています。

1. 日常清掃とは?基本と役割

日常清掃は、毎日または週単位で行う衛生維持の基礎業務です。短時間で広範囲をカバーするため、ルート表と業務マニュアルの整備、交差汚染を防ぐための資機材の色分けが重要となります。

日常清掃は、建物の美観と衛生を日々保つためのルーティン業務です。主な作業は、除塵、吸塵、モップ掛け、トイレ清掃、ゴミ回収、消耗品補充などです。これは感染対策や安全衛生の基本ラインを維持する役割を担います。

清掃区分 目的 主な作業 実施頻度 担当
日常清掃 日々の衛生維持 除塵・吸塵・拭き上げ・補充 毎日〜週次 常駐または巡回
定期清掃 美観・資産価値維持 床洗浄・ワックス・カーペット 月次〜年次 専門業者
スポット清掃 突発・強化対応 シミ除去・台風後・点検後 不定期 専門業者

日常清掃の品質基準(起承転結)

日常清掃の品質基準は、見た目の清潔感、臭気の無さ、床の滑りの安全性、消耗品の欠品ゼロです。品質を安定させるには、KPIを明確にし、写真付き作業報告書で毎日同じ成果を出せるよう「見える化」と「再現性」が重要になります。

2. 日常清掃の料金相場と契約方式の目安

日常清掃の費用は、主に「人員×時間×単価」で決まります。早朝や夜間の指定、土日稼働、鍵管理の厳格さなどで必要な工数が増減します。見積もりを比較する際は、作業時間や作業範囲の条件を揃えて比較検討することが重要です。

日常清掃の契約方式の目安(月額・巡回)

方式 主な内容 想定作業
巡回方式(短時間) 1〜3時間/回、週3〜5回 短時間で高頻度な衛生維持
常駐方式(午前3〜4h) 平日22日換算の半日作業 重点エリアの徹底清掃、補充業務
常駐方式(フルタイム) 7〜8h/日、平日22日 広範囲のカバー、日中の緊急対応含む

費用構成: 清掃費用は人件費が7割前後を占めます。残りは、中性洗剤、クロス、ポリ袋などの材料費や、管理費(報告書作成、巡回管理、欠員補充のバックアップ)で構成されます。見積もりでは、作業リスト、頻度、所要時間、搬入経路、消耗品の補充範囲を明記させましょう。

3. 日常清掃の頻度と範囲の決め方

日常清掃の頻度は、導線の通行量、飲食の有無、床材の耐久性で設計します。エントランスやトイレは高頻度、会議室や倉庫は低頻度が基本です。

日常清掃のエリア別・作業別頻度モデル

エリア 日常清掃の主作業 標準頻度の目安
エントランス・風除室 乾拭き・吸塵・ガラス拭き 毎日(朝)、土砂多い日は夕方再清掃
トイレ 便器・洗面・床・補充 毎日2回〜、来客多い日は3回
共用廊下・事務室 ダスター・モップ・ごみ回収 毎日〜週3、席移動時は重点
階段・エレベーター 手すり拭き・段鼻清掃 週2〜3、手すりは日次除菌

日常清掃の季節調整と再汚染対策

日常清掃は、季節要因で作業を調整します。春は花粉、冬は融雪剤と砂が課題です。業者には、入口マットの二重化、送風機の活用、ドライ中心の除塵による再汚染対策を組み込ませましょう。また、頻度表に「臨時枠」を設けることで、運用が柔軟になります。

4. 標準手順と品質管理の仕組み

日常清掃は「上から下、奥から手前、乾式から湿式」が基本です。業者選定にあたっては、この標準手順を手順書やルート表として明確化し、品質を均一に保つ仕組みを持つことが重要です。

日常清掃の手順・時間目安(エリア別)

エリア 日常清掃の標準手順 時間目安(100㎡/1名あたり)
事務室100㎡ ダスター→吸塵→モップ→机拭き→ごみ回収 15〜25分
トイレ(男女計) 補充→便器・洗面→床洗浄→水切り→臭気確認 12〜20分
エントランス マット清掃→床乾拭き→ガラス→金物→臭気確認 10〜15分

日常清掃のツール・洗剤の選び方

日常清掃は毎日行うため、素材劣化を避ける中性主体の洗剤を薄希釈で使用し、安全第一で運用させます。モップやクロスはエリア別に色分けし、トイレ用資機材で事務室を拭くといった交差汚染を徹底的に防ぐ体制が必要です。業者のSDS(安全データシート)携行と希釈表の管理体制を確認しましょう。

5. 業者選び・契約の評価軸とSLA/KPI

日常清掃の業者選定は、「欠員や品質ぶれに強い体制」を選ぶことが重要です。資格、保険、教育、代替要員、報告体制を見て評価します。

日常清掃の選定チェックとKPI

必須確認事項: 資格(ビルクリーニング技能士)の在籍、賠償責任保険の加入、クレーム一次対応のSLA(サービス水準合意)、消耗品の補充範囲、清掃資機材の持込範囲を確認します。

KPI項目 目標例 測定方法
欠員ゼロ率 98%以上 日次勤怠
報告期限遵守 100% 24h以内提出
臭気クレーム 月0〜1件 月次レビュー

日常清掃のRFP項目(契約前必須)

見積もり精度を高めるため、以下のRFP(要件定義)を業者に提示しましょう。

  • 面積(㎡)と点数(便器・洗面・テーブルの数)
  • 作業時間帯と曜日(早朝/午前/フルタイム、平日/土日)
  • 鍵・アラームの受け渡し方法と手順
  • 搬入経路、エレベーター台数、駐車可否
  • 消耗品の補充対象と負担者(発注者/受託者)
  • 写真報告の枚数、期限、KPIとSLA

契約では、再清掃条件、代替要員の確保、賠償責任保険、個人情報保護、キャンセル規定を入れると安心です。

6. 現場運用チェックリストと安全衛生

日常清掃の品質は、作業前後のチェックリストで安定します。安全・衛生・鍵・薬剤・写真の5点を毎日確認することで、小さなトラブルが減ります。

日常清掃の作業前後チェック(現場担当者確認用)

タイミング 日常清掃の主要チェック 補足
作業前 鍵・アラーム・開錠時間の確認 立会者と緊急連絡を共有
作業前 資機材・薬剤・希釈表の確認 色分け資機材の確認を徹底
作業中 立入表示・転倒防止(ケーブルカバー) 利用者の安全確保を徹底
作業後 施錠・最終巡回 ガス・水・電源の最終確認
作業後 写真・報告書・忘れ物チェック 枚数と角度を統一

衛生管理の要点: トイレと共用部のクロスやモップを色分けし、交差汚染を防ぐ体制が必須です。また、作業者はPPE(手袋・マスクなど)を着用し、コードの転倒防止、薬剤のSDS携行といった安全管理も徹底させましょう。

7. まとめ:日常清掃成功の要点

日常清掃の成功は「設計×手順×人×可視化」で決まります。最後に、業者との運用で押さえるべき要点を整理します。

  • 頻度: トイレと入口は高頻度、事務室は日次〜週次、会議室は利用連動が合理的です。
  • 手順: 標準手順を明確化し、業者と共有します(上→下、乾→湿)。
  • 業者選び: 欠員対応、報告体制、KPI運用で見極め、価格だけで決めない。
  • 運用: チェックリストと写真報告を徹底し、RFPで条件を揃えて契約する。
  • 改善: ルート表の更新、臨時枠の追加、写真の定点化など、小さなPDCAを回して品質を着実に上げます。

著者名(ペンネーム): 春野 ひかり|ライフソムリエール編集部

忙しい毎日に“暮らしの余白”をつくるのが使命の中の人。家事代行・整理収納・料理代行の現場で学んだコツを、編集部メンバーと一緒に実際に試してから記事化しています。道具選び、掃除の動線設計、時短家事レシピが得意分野。
記事は社内の実務スタッフが執筆→編集部で検証→必要に応じて外部有識者が監修の流れでお届け。広告掲載時は明記し、効果は数値と写真でできるだけ可視化します。
みなさんの「これ本当に効く?」を一緒に検証するのが大好き。リクエストや検証してほしいテーマがあれば、コメントやお問い合わせからどうぞ。